
1873年コルトSAA(ピースメーカー)が登場するまでのハンドガンの発展を、具体的な銃の名称とともに調べてみました。
1. 初期のハンドガン(14~16世紀)
最初期のハンドガンは、火縄で発火する仕組みでした。
火縄ハンドガンといったところでしょうか。
銃口から火薬入れ、弾丸を入れ、棒で押し詰め、火皿にも火薬を置き、火縄を準備する、、、といった発射準備に時間がかかり、雨風にも弱い欠点がありました。
2. ホイールロック式(16~17世紀)
ゼンマイ仕掛けの金属円盤(ホイール)を回転させ火打ち石を擦り合わせて発火させる方式の銃で、火縄を用意しなくていい分 雨天でも使用しやすい反面、機械部分が多いため製造にコストがかかり、高級品を購入できる経済力のある貴族や騎士でもなければ所持することはできませんでした。
3. フリントロック式(17~18世紀)
火打石(フリント)をハンマーで叩き、火花で発火させる方式の銃が登場します。
シンプルな設計で、貴族の護身用から軍用まで幅広く使用されました。
パイレーツオブカリビアンの海賊が使用する銃としても有名ですよね。
まだまだ再装填には時間がかかるため、海賊の中には上着に何挺ものフリントロック式ピストルを備えている者もいたようです。

KTW エアガン
4. パーカッションロック式(雷管式, 19世紀前半)
火薬の点火に雷管(キャップ)を使い、発火の確実性が向上するようになりました。
小さな雷管の内部には 圧力を掛けることにより発火する性質をもつ物質が封入されており、ハンマーをたたくことで爆発、銃身内の火薬に着火して発射する仕組みになっています。
コルト・パターソン(Colt Paterson, 1836年)
サミュエル・コルトが開発した世界初の実用リボルバーです。
5連発のシリンダーを備えますが、ハンマーを起こさないと装填できない欠点がありました。
テキサス・パターソン(Colt Texas Paterson, 1838年)
コルト・パターソンの改良型で、銃身を長くし威力を増強。
テキサス・レンジャーに採用され、西部開拓時代での戦闘に貢献しました。

ハートフォード 発火式モデルガン
コルト・ウォーカー(Colt Walker, 1847年)
テキサス・レンジャー用に開発されたリボルバー。
.44口径の弾薬を使用してさらに強力になり、リロードも比較的容易になりました。

ハートフォード 発火式モデルガン
コルト・ドラグーン(Colt Dragoon, 1848年)
コルト・ウォーカーの改良型で、重量を軽減し携帯性が向上しました。

ハートフォード 発火式モデルガン
コルト 1851 ネイビー(Colt 1851 Navy, 1851年)
.36口径でバランスが良く、西部開拓時代や南北戦争で使用されました。
装飾性も高く、当時の兵士やガンマンに人気がありました。

東京マルイ エアリボルバー

CAW 発火式モデルガン
コルト 1860 アーミー(Colt 1860 Army, 1860年)
.44口径で、コルト・ウォーカーを軽量化し、バランスを向上。
南北戦争で最も多く使用されたパーカッション式のリボルバーです。

ハートフォード 発火式モデルガン

ハートフォード 発火式モデルガン

CAW 発火式モデルガン

ハートフォード 発火式モデルガン
スタール・アーミー・リボルバー(Starr Army Revolver, 1858年)
南北戦争で北軍が採用したダブルアクション・リボルバー。
当時珍しいダブルアクションでしたが、トリガーが重くて狙いにくいため、後にシングルアクション版が開発されています。

ハートフォード 発火式モデルガン

ハートフォード 発火式モデルガン
5. 金属薬莢の登場(19世紀後半)
スミス&ウェッソン No.1(S&W No.1, 1857年)
世界初の実用的な金属薬莢(.22ショート)を使用するリボルバー誕生です。
坂本龍馬が暗殺の際に持っていたのはこちらの銃。
スミス&ウェッソン No.2(S&W No.2 Army, 1861年)
南北戦争での将校や民間人が使用したリボルバーです。(.32口径)。
坂本龍馬が高杉晋作より譲り受け、寺田屋事件で活躍したことでも有名です。

マルシン ダミーカート式モデルガン
スミス&ウェッソン No.3(S&W No.3, 1869年)
トップブレイク式で素早いリロードが可能なモデルです。
レミントン・ニューモデル・アーミー(Remington New Model Army, 1863年)
コルトより頑丈な設計で、シリンダーチェンジが可能。

ハートフォード 発火式モデルガン

ハートフォード 発火式モデルガン
レミントン・デリンジャー(Derringer, 1860年)
有名なコンシールドガンはこのころ登場。護身用に人気がありました。

マルシン ガスガン

CAW 発火式モデルガン
6. コルトSAA(シングル・アクション・アーミー, 1873年)の登場
いよいよコルトSAAの登場です。
.45ロングコルト弾を使用するこの銃は、「ピースメーカー(Peacemaker)」の愛称で西部開拓時代の象徴に。
Cavalry Model(騎兵用):7.5インチ銃身
Artillery Model(砲兵用):5.5インチ銃身
Sheriff’s Model(保安官用):4.75インチ銃身
他にもシビリアン、バントラインカスタムなど様々なバージョンが登場し、市場を席捲しました。
まとめ
コルトSAAが誕生するまでの古式ハンドガンを紹介しました。
ハンドガンは 火縄式 → ホイールロック式 → フリントロック式 → パーカッション式 → 金属薬莢式 と進化。
特に、コルト・パターソン、テキサス・パターソン、コルト1860アーミー、スタール・アーミー・リボルバー などが、近代リボルバーの発展に大きく貢献しました。
いかがでしたでしょうか?
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
writer:まえやん