ガンショップHBLTのブログ

古い電動ガンを直してみよう! その4 メカボックス・シム調整編

皆さんこんにちは、今回もやって参りました古い電動ガン「東京マルイ CAR-15」再生計画。
実況は私、エアガンの外装カスタムをしようと足りないパーツを買いに奔走しているクルツがお届けします。
解説も私、買い足した外装パーツが何故か買った後に部屋の倉庫から転がり出てくるクルツがお届けします。

さて今回も何度目の記事になるでしょうか、この記事を書き終わる前に既にご自身で改修されてる方とかいるんじゃないかなと思いますが、それでもあと何記事になるか分かりませんが最後までお付き合いいただければと思います。
それでは、前回はメカボックスの全分解まで終了しましたので、ここからはいよいよ組上げに向けた調整について進めていきたいと思います。
それでは、行ってみましょう!

在りし日の CAR-15

前回ではメカボックスの「全分解」まで行いました。
パーツを並べて名称と用途まではご理解いただけたかなと思います。

ただ改めてよくよくパーツを観察すると、どこかのスーパー忍者戦隊もビックリなほどにシュシュッと惨状な状態でした、、、。
どれくらい酷いかっていうと、、、。

  • グリスが埃と一緒に固まってなんか糸引いてる。
  • ギアの一部がなんかヒビ入ってるというかなんか割れてる。
  • ギアの軸受けが摩耗しちゃってなんかぐら付いてる。

という感じなのですが、何のこっちゃと分かりにくいですよね、、、一言で言います。

超絶運動不足のおじいちゃん

です。
小さいながらも機械なので、このまま無理やり使うとそりゃぁもう盛大に色々と崩れていきそうですよね。

そんなおじいちゃんでも大丈夫!
生き物と違って、ちゃんとメンテナンスしてあげれば若返ることだってできちゃいます!
これから行うメンテナンスをやってあげれば、いつまでも若い力でいることだってできちゃいます!
お値段もお手頃、奥様方にも大人気間違いなし!
さぁあなたも今スグ!!(以下略)

メカボックスの調整と組上げには作業が多いので、今回は電動ガンの中心でもあるギアの調整を行っていきたいと思います。

1.メカボックスの洗浄

まずは前回の記事にて取り外したパーツ全てに対して、汚れきったグリスや埃などを全て洗い流します。
ただ単にティッシュペーパーなどで拭き取っても良いですが、ティッシュペーパーに付着した埃などが付いてしまい、延々と汚れが落ちない状態にもなってしまいます。
今回はしっかりと洗浄作業をする為、専用のパーツクリーナーを使用して洗浄していきます。
汚れたパーツに直接吹き付けて、ティッシュペーパーやウエスなどでゴシゴシ拭き取っていきましょう。

【ライラクス】パーツクリーナー
※この商品のようなエアーソフトガン専用のものがオススメですが、ホームセンターなどで売っている自転車・バイク等用のパーツクリーナーでも構いません。

2.軸受けの交換

この作業については、基本的には不要ですので無視して頂いても構いません。
メカボックスにくっついているプラスチック(ナイロン系)の丸いパーツで、ギアの軸を固定しているパーツです。
今回はギアの軸を固定する内側の穴が摩耗しており、かなりぐら付いていたので、ついでに交換しちゃいます。
ガンショップなどでは基本的に金属製の軸受けが販売されていることが多く、エアガンメーカーによっては使用している軸受けの直径が異なってきます。
東京マルイ製の場合は、直径6mmφの軸受けを使用していますので、交換される場合はしっかりと確認して購入しましょう。
交換については、メカボックスの内側から圧入(押し込まれ)されている為、古い軸受けを取外し、逆の要領で入れ込みます。

3.ギアの仮組み

軸受けやギアを交換する場合は、必ず行いましょう。
今回はギアの一部分が割れていた為、ギアの交換も行います。
ガンショップなどでは、東京マルイ製の3種のギアが個別単品で販売されていることもあり、破損している場合はそのギアのみ購入・交換をすれば問題ないですが、今回は準備する時間も無かった為、倉庫の肥やしになっていたギアに交換しちゃいます。
まずはそのまま3種のギアを組み込んで、メカボックスを閉じてネジで仮止めします。
メカボックスが完全に閉じれなかった場合は、軸受けの組み込みやギアの大きさの確認をして、別のギアに交換するなどの対処をしましょう。
メカボックスを閉じて仮止めができたら、軸受けの外からギアの軸を、精密ドライバー等の細い棒で下から押し上げてみましょう。押し上げた時に1mm程度浮き上がるようなら、次の手順に行きましょう。

4.シムの調整

恐らくメカボックスの組上げ作業で一番シビアかつ難しい作業だと思いますので、慎重に進めていきます。
ギアを取り外した際に、ギアの上下に薄く小さなワッシャーのようなものが軸に挿し込まれていると思いますが、それがシムと呼ばれるもので、メカボックスとギア、ギア同士の間に余裕を持たせるものです。
このシムによる調整が間違うと、メカボックスとの摩擦による破損、ギアノイズ(摩擦による高音)の原因にもなりますが、しっかり調整してあげれば、パーツの長期使用にも耐え、かつ減音効果にも繋がったりします。
シム調整には僕の知る限り2つのやり方があります。

  • スパー中心調整・・・スパーギアのシム調整を中心とし、べベルギア、セクターギアのシムを決める方法
  • べベル中心調整・・・べベルギアのシム調整を中心とし、スパーギア、セクターギアのシムを決める方法

今回は僕が普段から行っている「スパー中心調整」にて、説明していきます。
使用するシムについては元々ギアに取り付けられていたシムを洗浄して使用するのも良いですが、細かな調整を行うため、別途準備していたシムを使用します。

【ライラクス】シムセット

(1)スパーギアの下側にシムを入れる

スパーギアの下側にシムを1枚入れ、メカボックスに挿し込んでコマの要領で、指でつまんで回します。
この時にメカボックスと接触していれば、「シュッ、シュッ」という金属同士が擦れているような音が出ますので、シムの厚みを少しずつ増やしていきます。

(2) メカボックスを閉じる

スパーギアの下側のみにシムを入れて回し、異音が無い状態でメカボックスを閉じて仮止めします。
完全に閉じない場合は、シムやギアを見直しましょう。
仮止めした状態で、軸受けの外側から軸を押し上げて、少しでも浮き上がるようであれば、次に進みます。

(3)スパーギアの上側にシムを入れる

一度メカボックスを開き、スパーギアの上側に浮き上がった分だけシムを入れて調整します。

(4)メカボックスを閉じる

スパーギアの上下にシムを入れた状態でメカボックスを閉じて仮止めします。
完全に閉じない場合は、シムの厚みを調整しましょう。
仮止めした状態で、軸受けの外側から軸を押し上げて、ほんの僅か(0.1mm程度)動くようであればOKです。
全く軸が浮き上がらない場合は、ややきついか、動いても軸受けやギアに負担がかかる為あまり好ましくありませんし、この僅かな浮き上がりについては、後日のグリスアップ記事にて解説します。
そして仮止めした状態で、ドライバー等でスパーギアを引掛けて回し、金属同士の擦れる異音が無ければ成功です。

(5)べベルギアのシム調整

スパーギアの調整が成功したら、他の2種のギアのシム調整です。まずはべベルギアです。
べベルギアはスパーギアの外側の歯と噛み合って回転しますが、この時にべベルギアのラッチ部分と、スパーギアの面になっている部分が接触してしまうと、ギアノイズの原因にもなります。
べベルギアの下側にシムを入れる場合の目安としては、「ギアの面になっている部分に接触せず、歯になっている部分が3/4程度噛み合っている」という事に気を付けましょう。

 

(6)メカボックスを閉じる

べベルギアの下側にシムを入れたら、スパーギアと一緒にメカボックスを閉じて仮止めします。
後の調整はスパーギアと同じで、軸を押し上げて浮き上がることを確認し、べベルギアの上側にシムを入れ、メカボックスを閉じて仮止めして、ギアを回転させる。
スムーズにべベルギアとスパーギアが回るようであれば成功です。

(7)セクターギアのシム調整

最後にセクターギアです。調整方法は、べベルギアと同じ要領で行います。
セクターギアはスパーギアの内側の歯と噛み合って回転しますが、面で接触する部分はべベルギアと比べて広い為、目視での接触確認もやりやすいはずです。
下側のシム調整ができたら、同じ要領で上側のシム調整も行い、仮止めしてギアを回転させます。
3種のギアが一度に回転するので、多少の金属音はしますが、スムーズに回るようであれば成功です。

 

ここまでお疲れ様でした。
次回は洗浄したパーツのグリスアップを行っていきます。
今回調整したギアとシムについては上下の厚みを忘れないように、メモを取ったりギアの軸に入れっぱなしにしたりという形で、無くさないように保存しておきましょう。

それでは、また次回!

writer:クルツ

 


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